青山商事が「デジタル・ラボ」を関西の4店舗に導入、導入店舗数は31店舗

6月24日、青山商事は実店舗の接客、ECサイトの在庫を連動させるシステム「デジタル・ラボ」を関西の4店舗に導入しました。「デジタル・ラボ」を導入しているのは、洋服の青山の795店舗のうち、31店舗です。

青山商事が「デジタル・ラボ」を導入する理由は、小型店の生産性を向上させるためです。お客さんに店舗にない商品をデジタルで体験してもらうことで、購入の決断がしやすくなり、売上の増加が期待できます。

「デジタル・ラボ」は2016年より導入が始まりましたが、導入ペースは遅いです。「デジタル・ラボ」は小型店の生産性の向上に貢献しますが、大型店では効果が小さいため、導入は進まないかもしれません。

「デジタル・ラボ」の導入を拡大

6月24日、青山商事は「デジタル・ラボ」を関西の4店舗に導入しました。

「デジタル・ラボ」を導入したのは、洋服の青山の「リンクスウメダ店」、「心斎橋店」、「京都河原町店」、「三宮店」です。

「デジタル・ラボ」とは、実店舗の接客、ECサイトの在庫を連動させ、実店舗とECサイトのメリットを活かすシステムです。

「デジタル・ラボ」を導入した店舗では、ECサイトと連動する、デジタルサイネージ、タブレットが複数設置されています。お客さんはこれらの端末を操作して、ECサイトの商品を閲覧することができます。

店舗に在庫がない商品については、ECサイトの商品データを確認できます。従来は店舗に在庫がない商品は情報がまったくなかったため、「デジタル・ラボ」を導入した店舗では、買い物がしやすくなっています。

青山商事は「デジタル・ラボ」を導入することにより、同じ色柄のスーツをサイズ別で保有する必要がなくなります。売り場面積が小さい店舗であっても、「デジタル・ラボ」を活用すれば、お客さんに多くの商品を見てもらえます。

青山商事は都市部にある小型店を中心に、「デジタル・ラボ」の導入を進めています。

「デジタル・ラボ」は2016年より導入が始まり、洋服の青山の795店舗のうち、31店舗に導入されています。

「デジタル・ラボ」を導入する理由

青山商事は「デジタル・ラボ」の導入を拡大しています。

青山商事が「デジタル・ラボ」を導入する理由は、店舗の生産性を向上させるためです。

小型店には生産性を向上させる余地があります。

スーツは価格が高く、購買頻度が低い商品です。スーツを買うお客さんは、品揃えが豊富な大型店でたくさんの商品を見て、どれを買うか決めたいです。

都市部にある小型店はアクセスしやすい場所にあるため、お客さんは気軽に立ち寄りやすいです。しかし、品揃えは少なく、購入の決断をしにくいです。

アクセスが良い都市部にある小型店であっても、お客さんは購入の決断をしにくく、効率よく商品が売れるわけではありません。小型店はお客さんが購入の決断をしやすい環境を整えることで、生産性を向上できる余地があります。

「デジタル・ラボ」は小型店の生産性の向上に貢献します。

「デジタル・ラボ」を導入した店舗では、ECサイトの在庫・商品データを接客に活用します。店舗に在庫がない商品についても、「デジタル・ラボ」を使ってお客さんに紹介できるようになるので、接客の幅が広がります。

「デジタル・ラボ」の活用により、お客さんは得られる商品情報が増えます。商品を実物で体験できなくても、デジタルで体験できれば、購入の決断がしやすくなります。

小型店に「デジタル・ラボ」を導入すれば、お客さんは購入の決断がしやすくなるため、売上が増加します。小型店は「デジタル・ラボ」の導入により、売り場面積は変わることなく、売上が増え、生産性が向上します。

「デジタル・ラボ」の導入ペースは遅い

「デジタル・ラボ」は2016年より導入が始まりましたが、導入店舗数は洋服の青山の795店舗のうち、31店舗と少ないです。

「デジタル・ラボ」の導入ペースが遅い理由は、大型店への導入が難しいからではないかと考えられます。

大型店は「デジタル・ラボ」の導入による、生産性向上の効果が小さいです。

大型店は売り場面が大きく、品揃えが豊富です。お客さんはたくさんの商品を見て、比較、検討して、納得感のある買い物ができます。

大型店に「デジタル・ラボ」を導入すれば、小型店と同様に、生産性の向上が期待できます。ただ、大型店はお客さんを満足させられる売り場、品揃えを持っているため、小型店ほど「デジタル・ラボ」が効果的ではありません。

大型店の問題は売上に対して売り場面積が大きすぎることです。大型店の生産性を向上させるためには、「デジタル・ラボ」とは別の方法が必要です。

大型店を取り巻く環境は厳しいです。

スーツ離れと人口の減少により、スーツの需要は縮小が続いています。スーツを購入する人が減れば、大型店が利益を確保することはますます難しくなります。

新型コロナウイルスの発生、テレワークの拡大は、スーツ業界にとっては大打撃です。テレワークを導入する企業が増えると、スーツを着る機会が減るため、スーツを購入する機会も減ります。

大型店はたくさんの商品から選べるという、優れた買い物体験をお客さんに提供します。一方、スーツの需要は縮小しており、生産性が低下する問題があります。

「デジタル・ラボ」については、都市部にある小型店の生産性を向上させることができれば、十分に機能していると言えます。