オンワードホールディングスがZOZOとオーダーメイドで連携、ZOZOTOWNにも再出店

7月13日、オンワードホールディングスはZOZOと連携したオーダーメイド商品の販売、ZOZOTOWNへの再出店を発表しました。オーダーメイド商品のブランドは「KASHIYAMA」で、ZOZOが保有する体型データを活用します。

オンワードホールディングスがオーダーメイドでZOZOと連携する理由は、ZOZOが持つファッションプラットフォーマーとしての価値を評価したからだと考えられます。ZOZOには体型データと集客力があります。

オンワードホールディングスとZOZOの連携強化は、新型コロナウイルスの影響により、ZOZOTOWNの価値が再評価されたものだと考えられます。店舗からECへのシフトが起こっており、オンワードホールディングスはECの強化に迫られています。

オーダーメイドとZOZOTOWNへの再出店

7月13日、オンワードホールディングスはZOZOと連携したオーダーメイド商品の販売、ZOZOTOWNへの再出店を発表しました。

オーダーメイド商品を販売するブランドは「KASHIYAMA」、ZOZOTOWNに再出店するのは、TOCCA、any SiS、JOSEPH、J.PRESSなどの13ショップです。

オーダーメイド商品の販売、ZOZOTOWNへの再出店は8月下旬より開始されます。

オーダーメイド商品は「KASHIYAMA」が持つ豊富なデザイパターンと、ZOZOが提供している「マルチサイズ」というサービスを活用したものです。

「マルチサイズ」とは、ZOZOがZOZOSUITで得た100万件以上の体型データを活用したサービスです。商品の注文時に身長、体重を選択するだけで、自分に合った最適なサイズの商品を選ぶことができます。

なぜオンワードHDはオーダーメイドでZOZOと連携するのか

オンワードホールディングスはオーダーメイドでZOZOと連携します。

オンワードホールディングスがオーダーメイドでZOZOと連携する理由は、ZOZOのファッションプラットフォーマーとしての価値を評価したからだと考えられます。

ZOZOは100万件以上の体型データを保有しています。

「KASHIYAMA」のオーダーメイド商品では、ZOZOが保有する体型データを活用します。ZOZOが保有する体型データを活用することにより、お客さんそれぞれの体型に合った商品を提供できるようになります。

オーダーメイド商品の製造は「KASHIYAMA」だけでもできますが、ZOZOと組むことによって、お客さんにさらに魅力的な商品を提供できます。

ZOZOのように、膨大な体型データを保有している企業はありません。お客さんそれぞれの体型に合ったオーダーメイド商品のオンライン販売は、ZOZOとの連携によって実現されるものです。

ZOZOTOWNの年間購入者は800万人を超えており、ZOZOには販売力があります。

オーダーメイド商品は既製品よりも需要が小さいです。「KASHIYAMA」は有名ブランドではあるものの、オーダーメイド商品の販売数量を伸ばすことは簡単ではありません。

「KASHIYAMA」はオーダーメイド商品をZOZOTOWNで販売することで、売上を伸ばすチャンスが大きくなります。ZOZOTOWNのお客さんの中には、「KASHIYAMA」のオーダーメイド商品に関心を持つ人もいるはずです。

オーダーメイド商品を販売するにあたっては、オーダメイド商品に特に関心がないような潜在顧客にリーチしたいです。ZOZOTOWNには多様なファッションに関心を持つお客さんがいて、オーダメイド商品の販売に適しています。

新型コロナウイルスでZOZOTOWNの集客力が再評価される

オンワードホールディングスはオーダーメイドでZOZOと連携し、13ショップをZOZOTOWNに再出店します。

オンワードホールディングスとZOZOの連携強化は、新型コロナウイルスの影響により、ZOZOTOWNの集客力が再評価されたものではないかと考えられます。

新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、ECの利用者が増えています。

新型コロナウイルスの感染拡大により、店舗の自粛・営業時間短縮、混雑、品切れなど、様々な変化が起こりました。店舗に行けない、行きたくない人は、ECで買い物をします。

新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、ZOZOTOWNにも新規顧客が多数流入していると考えられます。ECで初めて洋服を買う人は、ファッションブランドのECサイトではなく、ZOZOTOWNのような大手ECモールを選択する人が多いはずです。

2019年には「ZOZO離れ」という言葉も登場しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、ZOZOTOWNの集客力が再評価されることとなりました。

オンワードホールディングスがZOZOTOWNに再出店するのは意外です。

ZOZOTOWNは月額費用を支払うことで、商品を10%引きで購入できる「ZOZOARIGATO」という会員サービスを2018年12月25日に開始しました(2019年5月30日に終了)。

オンワードホールディングスは「ZOZOARIGATO」について、ZOZOTOWNと折り合わず、2019年2月に退店していました。

今回、オンワードホールディングスが約1年半ぶりにZOZOTOWNに再出店した背景には、戦略の変化があったのではないかと推測されます。

新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、店舗からECへと、消費者の買い物場所のシフトが加速しています。オンワードホールディングスはECの販路を拡大するため、ZOZOTOWNへの再出店を決めたのではないでしょうか。