4月21日、家電の通販サイト「ECカレント」を運営するストリームは、家電のレンタルサイト「レントコ」をオープンしました。「レントコ」は家電を買うのではなく、レンタルしたい人に向けたサービスです。
近年、モノを所有せず、共有するシェアリングエコノミーが広がりつつあります。ストリームは家電の販売だけではなく、レンタルも行うことで、お客さんの多様なニーズに対応できいます。
家電のレンタルをすると販売が減るといった懸念もありますが、販売とレンタルではニーズが異なるため、影響は小さいと考えられます。
家電のレンタルサイト「レントコ」とはなにか
4月21日、ストリームは家電のレンタルサイト「レントコ」をオープンしました。ストリームは家電の通販サイト「ECカレント」を運営しており、「レントコ」は「ECカレント」の家電をレンタルする新規事業です。
ストリームの令和2年1月期の売上高は23,409百万円(前期比3.5%増)、営業利益は162百万円(前期比830.7増)、営業利益率は0.7%でした。
近年、モノを所有するのではなく、共有するシェアリングエコノミーが広がりつつあります。ストリームが新たにオープンした「レントコ」は、そのような消費者の考え方の変化に対応するものです。
モノを購入するのではなく、レンタルするのには次のようなメリットがあります。
- 高価格な商品を低価格で試せる – レンタル料金は掛かるが、試してから購入できるので失敗・後悔がない。
- 家庭内での稟議がおりやすい – 興味がない人に体験してもらえるので、購入に反対する人を説得しやすい。
- 廃棄処分の手間や処分費用がかからない – モノを捨てるのには手間やお金が掛かるが、レンタルは返却するので掛からない。
- 保管場所がいらない – 年に数回しか使わないようなものは保管場所に困るが、レンタルでは返却すればいいので保管場所がいらない。
今後、ストリームはレンタルを事業の柱にするため、組織体制の変更などを行い、事業を強化して行くとしています。
なぜストリームは「レントコ」をオープンするのか
ストリームは家電の通販サイト「ECカレント」を運営しており、新たに家電のレンタルサイト「レントコ」をオープンしました。
ストリームが「レントコ」をオープンする理由は、家電を所有せずにレンタルしたいお客さんに対応するためです。
シェアリングエコノミーは全世界で広がり始めている考え方です。
シェアリングエコノミーが広がる背景には、資源がもったいないという大局的な観点があります。また、個人レベルでも、お金がもったいない、置き場所に困る、捨てるのに困る、あまり使わないといった理由があります。
価格が高い、サイズが大きい、使用頻度が低いといった特徴を持つ商品は、お客さんの立場では購入の決断が難しいです。
家電の場合、高圧洗浄機がこれらの特徴を満たしています。高圧洗浄機に興味がある人も、実際に購入を決断するのには時間が掛かります。また、高圧洗浄機に興味があるものの、いつまでも買わないという人もいます。
高圧洗浄機の購入を悩んでいる人に、レンタルを提供するのは良い方法です。購入は難しくても、レンタルなら使ってみたいと考える人はいます。
ストリームは家電の販売だけではなく、レンタルも行うことで、より多くのお客さんのニーズに対応できるようになります。
家電の販売とレンタルは競合するのか
ストリームは家電の販売とレンタルを同時に行うことになり、販売とレンタルが競合するのではないかという心配があります。
家電の販売とレンタルは異なるニーズに対応するため、競合する可能性は低く、一部ではシナジー効果もあると考えられます。
家電を買う人と借りる人のニーズは異なっています。
家電を買う人は、家電を買うことに問題を感じていません。一方、レンタルする人はお金がもったいない、置き場所に困る、捨てるのに困る、あまり使わないといったことに問題を感じており、買うよりもレンタルを好みます。
家電を買う人はレンタルがあっても家電を買います。
ただ、家電を買う人が、将来的にレンタルするようになる可能性は高いです。シェアリングエコノミーは徐々に普及していくため、多くの人が買うよりもレンタルを選択するようになるはずです。
家電をレンタルする人は、レンタルがなければ買うかというと、必ずしもそうではありません。仕方なく買う人もいれば、買わない人もいます。
レンタルは家電を買わない人に向けたサービスです。レンタルがあれば、家電を買わない人をお客さんにできます。また、家電をレンタルしてもらうことにより、購入に繋がるチャンスも生まれます。
家電のレンタルは新規顧客の獲得、家電の売上の増加に貢献するものです。
モノを買わない・所有しないことが普通になる
ストリームがオープンした家電のレンタルサイト「レントコ」は、家電を買いたくない人、所有したくない人に向けたサービスです。
シェアリングエコノミーは徐々に普及しており、モノを買わない、所有しないことが普通になります。
これまではモノを共有するという発想がありませんでした。モノを自分で所有して、自分で使うというのが常識です。家、車、家電、家具、洋服など、消費者各人が自分で所有して、自分で使います。
しかし、モノを共有することを体験すると、効率の良さ、ストレスの無さに気が付きます。自分でモノを所有せず、必要なときにだけ共有した方が効率がよく、金銭的な負担も小さくて済みます。
モノをレンタルするサービスは次々に登場しています。
家、車、家電、家具、洋服など、ほぼすべてのカテゴリでレンタルサービスがあります。
自動車メーカーは高額の自動車を販売してきましたが、レンタルサービスを始めています。将来的に自動車が購入・所有されることが減り、レンタルされることが増えるのを見越しているためです。
モノを買わない、所有しないことが普通になり、モノが売れにくくなる時代がやってくるのは確実です。