コンビニ大手三社の4月の既存店売上高は減少、客数の大幅な減少によるもの

コンビニ大手三社が4月の既存店売上高を発表しました。セブン-イレブンは5.0%減、ファミリーマートは14.8%減、ローソンは11.5%減となっています。

コンビニ大手三社の4月の既存店売上高が減少した理由は、客数が大幅に減少したためです。不要不急の外出を控える、テレワークを導入する企業が増えるなど、生活様式の変化により、繁華街、行楽地、オフィス街の店舗では客数が大きく減少します。

セブン-イレブンの4月の既存店売上高の減少幅は、ファミリーマート、ローソンよりも小さいです。セブン-イレブンはファミリーマート、ローソンよりも日販が高く、新型コロナウイルスの状況下においても、商品力の差が見て取れます。

コンビニ大手三社の4月の既存店売上高

セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、コンビニ大手三社が4月の既存店売上高を発表しました。

セブン-イレブンは売上高が5.0%減、客数が14.7%減、客単価が11.4%増でした。

ファミリーマートは売上高が14.8%減、客数が22.2%減、客単価が9.3%増でした。

ローソンは売上高が11.5%減、客数が19.3%減、客単価が9.7%増でした。

売上高 客数 客単価
セブン-イレブン -5.0 -14.7 11.4
ファミリーマート -14.8 -22.2 9.3
ローソン -11.5 -19.3 9.7

コンビニ大手三社はすべて4月の既存店売上高が減少していますが、客数と客単価の差によって、減少幅には差があります。

新型コロナウイルスが拡大するなかでも、コンビニは店舗を閉店していません。また、自宅で過ごす時間が長くなったことで、食品の需要が増加しています。

コンビニ大手三社の4月の既存店売上高が大幅に減少したことには驚きもあります。

なぜコンビニ大手三社の4月の既存店売上高は減少したのか

コンビニ大手三社の4月の既存店売上高は大幅に減少しました。

コンビニ大手三社の4月の既存店売上高が大幅に減少した理由は、新型コロナウイルスの拡大による、生活様式の変化がマイナスに働いたためです。

不要不急の外出を控えるようになったことは、コンビニの客数が減少する要因の一つです。

仕事以外に夜間、休日に外出する人が減るため、繁華街、行楽地にあるコンビニは客数が減少します。

テレワークを導入する企業が増えたことは、コンビニの客数が減少する要因の一つです。

オフィス街にあるコンビニはビジネスパーソンの昼食、夕食を販売しています。テレワークでオフィスに出勤する人が減れば、オフィス街にあるコンビニは客数が減少します。

自宅で過ごす時間が増えたことで、食品の需要が増加しています。コンビニにおいても、客単価が上昇しており、食品の需要増加の恩恵があったと考えられます。

ただ、たくさんの食品を購入する店舗としては、コンビニよりもスーパーマーケット、ドラッグストアの方が優れています。スーパーマーケットは食品の品揃えが豊富で価格が安く、ドラッグストアはナショナルブランドの食品が安く、日用品、医薬品も買えます。

普段コンビニで買い物をしているお客さんも、新型コロナウイルスの状況下では、スーパーマーケット、ドラッグストアを選んだというのはありそうです。

コンビニ大手三社の4月の既存店売上高の減少は客数の大幅な減少によるものです。不要不急の外出を控えたこと、テレワークを導入する企業が増えたことが、コンビニの大幅な客数の減少を引き起こしています。

なぜセブン-イレブンは減少幅が小さいのか

コンビニ大手三社の4月の既存店売上高は減少しましたが、セブン-イレブンはファミリーマート、ローソンよりも減少幅が小さいです。

セブン-イレブンの減少幅がファミリーマート、ローソンよりも小さい理由は、商品力が優れており、リピーターが多いためだと考えられます。

セブン-イレブンがファミリーマート、ローソンよりも優れた商品を提供していることは、多くのお客さんが認めるところです。

セブン-イレブンの日販はファミリーマート、ローソンよりも高いです。また、インターネットのアンケート調査を見ても、セブン-イレブンが圧倒的な人気です。

セブンイレブンのセブンプレミアムの売上高は1兆4,500億円(2020年2月期)です。一方、ローソンのローソンセレクト、ファミリーマートのファミリーマートコレクションは売上高を公表していません。

新型コロナウイルスの拡大により、コンビニで買い物をする機会が減りました。

コンビニで買い物をする機会が減るなかでも、セブン-イレブンの既存店売上高の減少幅が小さいのは、リピーターが多かったということです。

ファミリーマート、ローソンにとっては、セブン-イレブンとの売上高減少幅の大きな差はショックです。セブン-イレブンの5.0%減に対して、ファミリーマートは14.8%減、ローソンは11.5%減です。

ファミリーマート、ローソンは商品力でセブン-イレブンに追い付くことが課題ですが、新型コロナウイルスによって、大きな差が再確認されました。

コンビニ以外の店舗で食品を買う機会が増えたことは不安

食品を販売するコンビニは、スーパーマーケット、ドラッグストアと競合しています。

新型コロナウイルスの状況下において、コンビニの売上高が大幅に減少する一方、競合のスーパーマーケット、ドラッグストアの売上高が大幅に増加していることは不安です。

ライフコーポレーションの4月の既存店売上高は15.0%増、客数は4.8%減、客単価は20.8%増でした。スーパーマーケットは幅広いカテゴリの食品を販売しているため、客単価の増加率が高いです。

ツルハホールディングスの4月の既存店売上高は3.6%増、客数は10.3%増、客単価は6.0%減でした。ドラッグストアは食品、日用品、医薬品と幅広いカテゴリを販売しているため、客数が大幅に増え、客単価は低下しています。

新型コロナウイルスの状況下においては、コンビニの強みである近さ、PB商品の美味しさが評価されにくいです。お客さんは多くの食品、日用品を安く買うことを望んでおり、コンビニよりもスーパーマーケット、ドラッグストアを選びます。

普段はコンビニで買い物をするお客さんのなかにも、スーパーマーケット、ドラッグストアで買い物をした人が多いはずです。こうしたお客さんはスーパーマーケット、ドラッグストアの品揃え、価格を再確認することになります。

お客さんは新型コロナウイルスが収束した後もコンビニには戻らず、スーパーマーケット、ドラッグストアを利用し続けるというのは起こりうるシナリオです。

新型コロナウイルスにより、コンビニは価値が下がり、スーパーマーケット、ドラッグストアは価値が上がりました。コンビニは新型コロナウイルスが収束した後、お客さんが戻ってくるかどうか見守る必要があります。