3月23日、Amazonは30都道府県で置き配を標準設定にしたと発表しました。置き配が標準設定になった30都道府県では、標準で置き配が設定され、在宅でも留守でも商品が玄関に配送されます。
Amazonが置き配を標準設定にする目的は、お客さんの利便性の向上、再配達の削減、二酸化炭素の削減のためです。また、Amazonはお客さんの買い物回数の増加、物流費の減少により、利益の増加が期待できます。
置き配は社会問題の解決、EC市場規模の拡大に不可欠なもので、ECの商品を受け取る方法として普及しそうです。
Amazonの置き配の内容
3月23日、Amazonは一部の地域で置き配を標準設定にしたと発表しました。
置き配が標準設定になるのは、東京、神奈川、大阪、愛知、埼玉、千葉、北海道、福岡、静岡などを含む30都道府県で、全国の半数以上の都道府県が対象です。
Amazonで注文した商品はお客さんからの特段の意向がない場合、在宅でも留守でも玄関に配送されます。
お客さんが置き配を希望しない場合は、注文画面から変更操作を行い、これまでと同じように対面で受け取ることもできます。
置き配が利用できるのは、発送通知メールに「発送業者:Amazon」と表示されている場合です。
置き配場所の初期設定は玄関です。玄関以外の場所として、宅配ボックス、ガスメーターボックス、自転車のかご、車庫、建物内受付/管理人のいずれかを選択できます。
宅配ドライバーが指定の配達場所に入れない、配達場所を特定・使用できない、配達場所が安全でないなど、置き配を利用できない場合もあります。
Amazonは置き配を標準設定にすることで、お客さんの利便性向上、宅配ドライバーの負担軽減、二酸化炭素の排出削減による環境負荷の軽減を見込んでいます。
Amazonはこれまでに置き配の実証実験を行っており、約50%の再配達削減効果があることが分かっています。
なぜAmazonは置き配を標準設定にするのか
Amazonは30都道府県で置き配を標準設定にしました。
Amazonが置き配を標準設定にする目的は、お客さんの利便性向上、宅配ドライバーの負担軽減、二酸化炭素の排出削減による環境負荷の軽減を実現するためです。
商品受け取りの選択肢が多いほど、お客さんはECで快適に買い物ができます。
ECで買い物をする回数が増えると、商品を受け取る回数も増えます。商品を受け取るのは自宅であることが多いですが、何度も受け取るのは大変です。
置き配であれば、商品を受け取るために自宅にいる必要がなく、宅配ドライバーと顔を合わせることもありません。お客さんは状況に応じて、対面受け取りと置き配を使い分けることで、商品を受け取るストレスを軽減できます。
宅配ドライバーの負担増加、二酸化炭素の増加は社会問題となっています。
ECで買い物をする回数が増えると、宅配個数も増加します。宅配個数の増加は再配達の増加に繋がり、宅配ドライバーの負担増加、二酸化炭素の増加に繋がります。
置き配には再配達を減らす効果があり、Amazonの実証実験では約50%の再配達削減に成功しています。再配達が減れば、同時に宅配ドライバーの負担軽減、二酸化炭素の削減も実現されます。
置き配に期待されている、お客さんの利便性向上、宅配ドライバーの負担軽減、二酸化炭素の削減は確実なものです。宅配ドライバーの負担軽減、二酸化炭素の削減は、置き配の利用者が増えるほど効果も大きくなります。
置き配を標準設定にするAmazonのメリットはなにか
Amazonは30都道府県で置き配を標準設定にして、より多くのお客さんに置き配を利用するように促しました。
Amazonが置き配で得るメリットは、買い物の利便性向上による買い物回数の増加、再配達の削減による物流費の減少です。
お客さんの利便性向上はAmazonでの買い物回数の増加に繋がります。
ECで買い物をするお客さんが常に考えていることは商品の受け取りです。商品の受け取りに負担を感じると、買い物を途中で止めてしまうこともあります。お客さんが途中で買い物をやめてしまうことは、ECの機会損失です。
置き配であれば商品を受け取る負担がないので、お客さんは商品の受け取りを考えることなく買い物ができます。置き配を利用すれば買い物を途中で止めることがなくなるため、Amazonで買い物をする回数が増えます。
再配達の削減は物流費の減少になります。
ECでは宅配個数の増加に合わせて、物流費用も増加します。Amazonはアメリカで物流費が増大していると言われていて、日本でも当てはまるはずです。
置き配で再配達を削減できれば、同時に物流費も減少します。Amazonは一部地域で自社配送をしており、置き配と自社配送を組み合わせれば、物流費を大きく減らせる可能性があります。
Amazonは置き配で買い物回数の増加、物流費の削減が同時に見込めるため、利益を増やすことができます。
お客さんは置き配を利用することにデメリットはあるか
Amazonは30都道府県で置き配を標準設定にしましたが、引き続き対面での受け取りを利用することもできます。
置き配を利用しないことに特にデメリットはなく、トラブルが不安な人は対面での受け取りを続けるべきです。
インターネットにはAmazonの置き配を利用した人たちの体験がありますが、注目されるようなトラブルはないようです。
置き配は世界各地で行われていて、盗難などのトラブルも多くはないと言われています。日本ではこれから置き配が普及して行きますが、世界の事例を見て、日本でもトラブルは少ないだろうと考えられています。
置き配は玄関だけではなく、宅配ボックス、ガスメーターボックス、自転車のかご、車庫、建物内受付/管理人も指定できます。お客さんが安全な場所を指定することで、トラブルを減らすことができます。
将来的に置き配になにか特典が付く可能性はあります。
置き配には宅配ドライバーの負担軽減、二酸化炭素の削減の効果があり、Amazonの利益も増えます。置き配を利用する人は、社会問題の解決、Amazonの利益の増加に貢献しており、なにか特典をもらえてもおかしくはありません。
置き配になにか特典が付くようになれば、置き配を使わないことでデメリットが生じます。ただ、現在のところ、そこまで考える必要はありません。
置き配が標準設定になったことで、置き配を使わないといけないプレッシャーも掛かりますが、不安な人は対面受け取りを続けるべきです。
置き配はEC市場規模の拡大を加速する方法として期待
EC市場規模は安定的に拡大が続いています。2019年4月に経済産業省が発表した「電子商取引に関する市場調査」によると、2018年の物販系分野のEC市場規模は9兆2,992億円(前年比8.12%増)でした。
EC市場規模は安定的に拡大が続いていますが、置き配はEC市場規模の拡大をさらに加速させるものとして期待できます。
置き配はお客さんの買い物回数を増やすとともに、物流に余力を生みます。
置き配でお客さんは商品を受け取る負担が軽減され、ECで買い物をする回数が増えます。お客さんがECで買い物をする回数が増えれば、EC市場規模は拡大します。
置き配で再配達が減れば、これまで再配達に使っていた余力を新しい配達に使うことができます。お客さんがECで買い物をする回数が増えると同時に、物流に余力が生まれるため、EC市場規模の拡大が効率よく進みます。
EC市場規模の拡大には、戸建住宅に宅配ボックスが設置されることが望ましいです。
宅配ボックスは商品受け取りのセキュリティを高めるものです。お客さんは置き配がさらに利用しやすくなるため、ECで買い物をする回数を増やす効果があります。
宅配ボックスを設置した戸建住宅では、ECの購入金額が大きく増える可能性があります。宅配ボックスはEC企業の売上アップに貢献するもので、購入しやすい低価格の宅配ボックスの開発が期待されます。
置き配がEC市場規模の拡大に与えるインパクトは大きく、Amazonを含め、EC企業は多くのお客さんに置き配を利用してもらいたいです。