ネットスーパー「クックパッドマート」、東京メトロの駅構内に宅配ボックスを設置

2月26日、クックパッドはこだわりの生鮮食品を販売するネットスーパー「クックパッドマート」において、食品受け取り用宅配ボックス「マートステーション」を東京メトロの駅構内に設置するとを発表しました。

クックパッドマートは宅配ボックスを駅の中に設置することで、駅の利用者の利便性を高めるとともに、売上の増加が見込めます。東京メトロはクックパッドマートの宅配ボックスを設置することにより、駅の役割を拡大できます。

ライフスタイルの変化で料理をする人が減り、クックパッドの事業は厳しい環境にあります。クックパッドマートは料理を好きな人にこだわりの生鮮食品を販売する事業で、料理好きな固定客の獲得が期待されます。

生鮮宅配ボックス「マートステーション」を4駅に設置

2月26日、クックパッドはネットスーパー「クックパッドマート」の食品受け取り用宅配ボックス「マートステーション」を東京メトロの駅構内に設置すると発表しました。

宅配ボックスが設置されるのは、東京メトロの半蔵門線大手町駅、南北線後楽園駅、有楽町線有楽町駅、丸ノ内線方南町駅の4駅です。

半蔵門線大手町駅、南北線後楽園駅は2月27日により、有楽町線有楽町駅、丸ノ内線方南町駅は2月29日により、配送が開始されています。

東京メトロの宅配ボックスの利用時間は始発から23時までとなっていて、当日朝8時までの注文で、当日17時以降の受け取りが可能です。

クックパッドマートはクックパッドが2018年9月にサービスを開始した生鮮食品のネットスーパーで、現在のところ、東京都23区内、神奈川県川崎市、横浜市でサービスが提供されています。

食品の購入は専用アプリで行い、送料は無料、購入した食品は店舗、施設、駅など、様々な場所に設置されている宅配ボックスで受け取ります。

クックパッドマートはサービス開始以降、宅配ボックスの設置場所を増やしています。宅配ボックスの設置場所には、店舗、集合住宅、幼稚園などがあります。東京メトロの駅構内への設置も、宅配ボックスの設置場所を拡大する施策の一つです。

クックパッドはなぜ駅に宅配ボックスを設置するのか

クックパッドはネットスーパー「クックパッドマート」の宅配ボックスを、東京メトロの4駅に設置しました。クックパッドはこれまでも様々な場所に宅配ボックスを設置しており、駅への設置は宅配ボックス設置場所の拡大です。

クックパッドマートが駅へ宅配ボックスを設置する目的は、駅利用者の買い物の利便性を向上させるためです。

駅の利用者は通勤・通学の人がほとんどですが、クックパッドマートのターゲットは主に仕事帰りの人になるのではないかと思います。

駅に設置される宅配ボックスの受け取り可能時間は始発から23時までです。クックパッドマートでは、当日8時までの注文で、当日17時以降に受け取りが可能になります。前日の夜、または当日の朝注文して、当日の仕事帰りに受け取る人が多そうです。

食品を駅の宅配ロッカーで受け取って、自宅に帰って調理して食べるというのは新しい買い物体験です。料理が好きな人にとっては、ワクワク感があります。

クックパッドとしては、クックパッドマートの事業を拡大していくにあたって、宅配ボックスは様々な場所にあることが望ましいです。

宅配ボックスの設置場所が増えるほど、お客さんはクックパッドマートを利用しやすくなり、クックパッドマートでの買い物が習慣化します。

お客さんの買い物が習慣化すれば、クックパッドーマートの売上も増えます。クックパッドマートが事業を拡大するためには、固定客を増やしたいです。

クックパッドマートが駅へ宅配ボックスを設置する目的は、駅利用者の買い物の利便性を高めるとともに、事業の拡大にも貢献するからです。

どのような人が駅の宅配ボックスで食品を受け取るのか

駅構内にある宅配ボックスで食品を受け取れれば便利ですが、お客さんは食品を買う場所に困っているわけではありません。コンビニ、ドラッグストア、スーパーマーケットが近所にあり、ネットスーパーでも食品を買えます。

クックパッドマートで食品を買うお客さんは、クックパッドが好きな人、料理が好きな人になるのではないかと思います。

クックパッドマートは東京メトロの4駅に宅配ボックスを設置しますが、駅周辺には食品を買える店舗が多数あります。

駅周辺には食品を買える店舗が多数あるなかで、東京メトロの駅でクックパッドマートの食品を受け取る人は、クックパッドから食品を買いたい人、あるいは、専門店のこだわりの食品を買いたい人です。

クックパッドはレシピサイトを運営していて、料理が好きな会員をたくさん抱えています。クックパッドが好きな人にとっては、クックパッドでレシピを見て、クックパッドマートで食品を買い、料理をすることはワクワクする体験です。

クックパッドマートは肉、魚、野菜などの生鮮食品を主に販売しており、食品の品揃えの点では少ないです。

クックパッドマートだけでは、必要な食品を揃えることは難しいです。クックパッドマートで食品を買ったお客さんは、さらに、コンビニ、ドラッグストア、スーパーマーケットなどに立ち寄る必要があります。

クックパッドマートで食品の買い物が完結するわけではないため、必ずしも便利であるとは言えません。ただ、そのような買い物体験を楽しめる人、料理が好きな人にとっては、クックパッドマートはワクワクするサービスです。

クックパッドマートはお客さんに利便性を提供するというよりは、レシピの閲覧、食品の購入、料理までをセットにした、エンターテイメント体験だと言えます。

東京メトロが宅配ボックスを設置するメリットはなにか

東京メトロはクックパッドのネットスーパー「クックパッドマート」の宅配ボックスを4駅に設置しました。

東京メトロはクックパッドマートの宅配ボックスを駅に設置することで、駅の利用者に新しいサービスを提供し、駅の役割を拡大できます。

ライフスタイルの変化によって、駅への期待が高まっています。

女性の社会進出、共働き世帯の増加により、若い世代で忙しい人が増えています。仕事や子育てで忙しい人は、家事の時間を減らすことを望んでいます。

通勤で毎日利用する駅は、忙しい人にとって最も立ち寄りやすい場所の一つです。買い物、各種手続き、医療、美容など、生活に必要なサービスを駅で利用することができれば、忙しい人は助かります。

クックパッドマートは宅配ボックスで食品を受け取るサービスで、駅で食品を受け取ることができれば、家事の時間を短縮できます。

ECで買った商品を駅で受け取ることは、関係者すべてにとって有益です。お客さんは自分の好きなタイミングで商品を受け取ることができ、EC企業は商品が売れやすくなり、物流企業は再配達のコストが削減でき、駅は役割を拡大できます。

ECの商品を受け取るための宅配ボックスの設置が増えていて、駅は宅配ボックスの設置先として最適な場所の一つです。クックパッドマートは食品のECということで独自性があり、宅配ロッカーの設置で駅にも独自性が生まれます。

クックパッドマートは多くの利用者が見込めるサービスではありませんが、駅の役割を拡大する施策の一つとして、東京メトロにとって価値があります。

クックパッドは料理好きな人への事業を強化したい

クックパッドはレシピサイトを運営していて、レシピサイトのプレミアム会員売上、広告売上が事業の軸です。クックパッドの顧客は料理が好きな人達です。

ライフスタイルの変化で料理をする人が減少しており、料理が好きな人の減少はクックパッドの事業にとってはネガティブです。

料理をする人が減少するのは避けられない変化です。

女性の社会進出、共働き世帯の増加により、若い世代で忙しい人が増えています。忙しい人は弁当・惣菜、ミールキット、デリバリー、テイクアウト、外食などで食事をするようになり、料理をしなくなります。

料理をしない人が増えると、クックパッドのレシピサイトを利用する人も減ることになります。クックパッドのレシピサイトを利用する人が減れば、プレミアム会員売上、広告売上の減少に繋がります。

料理をする人が減るなかでも、依然として料理が好きな人はいます。料理が好きな人にとっては、料理は生活に必要な作業ではなく、エンターテイメントです。クックパッドは料理をする人を増やすのが難しいのであれば、料理が好きな人の客単価を増やしたいです。

こだわりの生鮮食品が便利に買えるクックパッドマートは、料理が好きな人への事業です。料理が好きな人はクックパッドのレシピサイトを見て、クックパッドマートでこだわりの生鮮食品を買い、料理をして食べることに喜びを感じます。

クックパッドマートが多くの利用者を獲得できないとしても、料理が好きな人を固定客にできれば、事業として価値があります。

クックパッドは料理をする人が減るという厳しい環境にありますが、料理が好きな人をターゲットにしたクックパッドマートには堅実な成長が期待できます。