2月12日、「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」がオープンしました。「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」は、ファミリーマートとフランチャイズ契約を締結した、アーバンリサーチが運営します。
「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」では、ファミリーマートは客数の増加、アーバンリサーチはお客さんとの接点の増加が期待できます。お客さんは一つの店舗で食品と衣料品が買えるため、普通のコンビニよりも買い物を楽しめます。
「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」のような、コンビニと小売業の協業は両者にメリットがあります。コンビニは既存店の客数が減少傾向にあり、小売業との協業を積極的に進めるべきではないでしょうか。
「アーバン・ファミマ!!」の概要
2月12日、「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」がオープンしました。アーバンリサーチはファミリーマートとフランチャイズ契約を提携しており、アーバンリサーチが「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」を運営します。
「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」は、サスティナビリティをキーワードにした、ライフスタイル提案型コンビニです。
「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」の店内は、「ファミマ!!エリア」と「アーバンリサーチエリア」に分かれています。
「アーバンリサーチエリア」では、スーツ、バッグ、時計、オーガニックコスメ、インナーウエア、ソックス、アウトドア用品、ギフト、日用品などを販売しています。
アーバンリサーチの担当者の話によると、ファッションがメインカルチャーからサブカルチャー化しており、お客さんとの接点が減っているとのことです。アーバンリサーチは「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」の出店で、お客さんと接触するタッチポイントを増やし、ファッションへの関心を高めようとする狙いがあります。
コンビニは様々な業種と協業していますが、衣料品を販売する「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」は新しい試みです。
ファミリーマートの狙いはなにか
ファミリーマートはアーバンリサーチと協業し、「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」をオープンしました。
ファミリーマートが「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」をオープンする狙いは、コンビニに新しい付加価値を付け、来店動機を増やすためです。
既存店の客数を増やすことは、ファミリーマートにとって重要な課題です。
ファミリーマートの既存店の一日あたり平均客数は896人(2019年2月期間)で、前期の917人(2018年2月期)から2.3%減少しています。日本フランチャイズチェーン協会のデータでも、2019年のコンビニの既存店ベース来客数は1.6%減少しています。
既存店の客数の減少はコンビニ業界全体の課題です。
コンビニの既存店の客数が減少する背景には、コンビニの店舗数の増加、業種の垣根を超えた競争、人口の減少などがあります。
コンビニが客数を増やす方法として、他業種との協業は効果的です。
コンビニは他業種との協業で新しい来店動機を作り出せば、コンビニ以外の目的で来店して、コンビニでついで買い物をするお客さんが増えます。
ファミリーマートが「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」をオープンする理由は、新しい来店動機を作り出し、コンビニの客数を増やすためです。
アーバンリサーチの狙いはなにか
アーバンリサーチはファミリーマートと協業し、「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」をオープンしました。
アーバンリサーチが「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」をオープンする狙いは、お客さんと接触するタッチポイントを増やすためです。
アーバンリサーチの担当者の説明によると、ファッションがメインカルチャーからサブカルチャー化したことで、タッチポイントが減少しているとのことです。アーバンリサーチはタッチポイントを増やす必要があり、「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」は一つの方法です。
衣料品店の多くは、商業施設の中にまとまって出店しています。衣料品店とお客さんの接触は、お客さんが衣料品店を訪れることで起こります。
ファッションへの関心が低下すると、お客さんは商業施設に出掛けなくなり、衣料品店はお客さんと接触する機会が減ります。
衣料品店とお客さんの接触が減っている理由は、ファッションへの関心の低下に加え、ECの拡大、人口の減少も関係しています。
アーバンリサーチにとって、「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」はお客さんとの新しいタッチポイントです。
商品が売れるに越したことはありませんが、すぐに商品が売れなくても、お客さんと接触するだけでも価値があります。お客さんとの接触を続けていれば、実店舗だけではなく、ECサイトでも商品が売れるチャンスを持てます。
「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」には、様々な動機の人が訪れます。アーバンリサーチは従来の店舗とは異なる客層と接触することができるので、新規顧客の獲得も期待できます。
コンビニで衣料品が買えると便利か
「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」では、ファミリーマートの商品に加え、アーバンリサーチの商品も買えます。
食品と衣料品を一緒に買うことは、お客さんが強く希望しているものではありません。ただ、食品と衣料品が一緒に買えることによるデメリットはなく、喜ぶお客さんは一定数いると思います。
お客さんにとって、店舗の取り扱いカテゴリの拡大は嬉しいものです。
仕事、趣味、子育て、介護など、様々な理由で忙しい人が増えています。忙しいお客さんは買い物に時間を掛けたくなく、便利な買い物をしたいです。コンビニで衣料品が買えることは便利で、利便性を求めるお客さんのニーズに沿うものです。
数百円の食品と数万円の衣料品が同じ店舗で販売されますが、衣料品の価値が下がるようなことはないと思います。
食品と衣料品が同じ店舗で販売されることは、よく見る光景ではありません。売り場に違和感を感じる人もいますが、利便性を感じる人もいます。利便性の価値は高まっており、今後は違和感よりも利便性を感じる人が増えると考えられます。
お客さんは売り場のイメージではなく、商品の価格と価値を適切に評価します。数万円の衣料品に、価格に見合った価値があると判断したお客さんは、数百円の食品の近くに陳列されていたとしても、問題なく買うはずです。
「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」のコンセプトは、お客さんが強く求めているものではありません。ただ、食品と衣料品が一つの店舗で買える利便性があり、喜ぶお客さんも一定数います。
コンビニと小売業の協業は両者にメリット
「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」は、ファミリーマートとアーバンリサーチの協業でオープンした店舗です。
「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」のような、コンビニと小売業の協業は両者にメリットがあります。協業により、コンビニは客数の増加、小売業はお客さんと接触するタッチポイントの増加が期待できます。
人口の減少、業種の垣根を超えた競争、ECの拡大により、すべての小売業がお客さんの減少に直面しています。コンビニと小売業は協業して店舗を運営することで、客数の減少に対応できます。
コンビニにとって、小売業との協業は新しいチャンスです。
アーバンリサーチのように、コンビニと協業したいと考える小売業は多数いるのではないかと思います。アーバンリサーチはタッチポイントが少なくなったと認識していますが、これは多くの小売業にも当てはまるものです。
小売業は必ずしもコンビニの店舗で商品が売れる必要はなく、新規顧客との接触、ECサイトへの誘導ができれば、協業する価値は十分にあります。
コンビニは店舗数が増え、商圏内での差別化が難しくなっています。小売業との協業で店舗に新しい来店動機を生み出すことは、商圏内での差別化にもなります。
コンビニは小売業との協業を積極的に行い、「アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店」のような個性的な店舗を増やすべきではないでしょうか。