はなまるうどんがかけうどんの価格を改定、小中大の各サイズで70円の値上げ

5月19日、はなまるうどんはかけうどんの小中大について、5月26日より、70円値上げすると発表しました。かけうどん(小)はこれまで150円でしたが、値上げ後は220円と大幅に高くなります。

はなまるうどんがかけうどんを値上げする理由は、企業努力のみでは、現行の価格を維持することが難しいからです。アルバイト・パートの時給上昇が続いており、飲食チェーンでは値上げが不可欠になっています。

はなまるうどんはかけうどんを値上げすることで、客離れが起きる不安があります。ただ、はなまるうどんの代替えとなるうどん店を近隣に見つけることは難しく、大きな客離れが起こる可能性は低いと思います。

はまなるうどんがかけうどんを値上げ

5月19日、はなまるうどんはかけうどんの価格を5月26日より改定すると発表しました。

かけうどんの価格は小中大の各サイズで70円値上げされます。かけうどん(小)は150円から220円へ、かけうどん(中)は250円から320円へ、かけうどん(大)は350円から420円へ値上げされます。

はなまるうどんは2019年3月にも、幅広いメニューで価格の改定を実施しています。メニューによって、値上げ、または値下げが行われています。

2019年3月に実施されたかけうどんの値上げでは、かけうどん(小)は130円から150円へ、かけうどん(中)は230円から250円へ、かけうどん(大)は330円から350円へ、各サイズで20円値上げされています。

はなまるうどんはかけうどんの70円の値上げについて、飲食業界を取り巻く環境の急激な変化により、企業努力のみでは現行価格を維持することが困難なためだとしています。

なぜはなまるうどんはかけうどんを値上げするのか

はなまるうどんはかけうどん小中大の各サイズで70円の値上げをします。

はなまるうどんが値上げをする理由は、材料費、人件費などのコスト上昇を吸収して、利益を確保するためです。

アルバイト・パートの時給の上昇が続いており、飲食チェーンが値上げを行うのは当然のことになっています。はなまるうどんの値上げについても、当然のことです。

はなまるうどんは2019年3月にもかけうどんを値上げしており、値上げは2年連続になります。2019年のかけうどんの値上げは20円でしたが、今回は70円と金額も大きく、思い切った値上げです。

はなまるうどんは吉野家ホールディングスのグループ会社で、過去5年間の売上高、セグメント利益は次のようになっています(売上高、セグメント利益の単位は百万円)。

売上高 セグメント利益 利益率
2016年2月期 21,317 1,158 5.4
2017年2月期 23,880 937 3.9
2018年2月期 27,057 1,274 4.7
2019年2月期 28,762 624 2.2
2020年2月期 30,615 1,252 4.1

過去5年間、売上高は順調に伸びていますが、セグメント利益は増えたり減ったりです。2020年2月期は売上高、セグメント利益ともに伸びており、2019年3月に実施した価格の改定が成功しています。

今回実施する値上げはかけうどんだけではあるものの、値上げの金額は70円と大きいです。はなまるうどんは2019年3月のかけうどんの値上げに続いて、今回の値上げでも、売上と利益を増やしたいところです。

はなまるうどんはかけうどんの値上げで客離れが起こるか

はなまるうどんはかけうどんの値上げにより、客離れが起きる不安があります。

客離れが起こるかどうかはやってみないと分かりませんが、起きたとしても、大きな客離れにはならないのではないかと思います。

はなまるうどんで食事をする人はうどんが好きな人です。うどんを多店舗展開する飲食チェーンは少なく、有名なのは、はなまるうどんと丸亀製麺くらいしかありません。

はなまるうどんの店舗数は522店舗(2020年2月期末)、丸亀製麺の店舗数は817店舗(2019年3月期)です。

はなまるうどんがかけうどんを値上げしたとしても、近隣にうどんを食べられる店舗がすぐに見つかるわけではありません。はなまるうどんに行かず、丸亀製麺に行こうとしても、実際にそれができる人はあまりいないのではないでしょうか。

はなまるうどんに行かず、他のものを食べるというのも起こりにくいです。はなまるうどんで食事をする人はうどんが食べたいので、他の食べ物では代替えできません。

かけうどんは商品の内容が変わらずに、価格だけが70円高くなります。これまでかけうどんを食べてきた人は、とても損をした気分になります。

かけうどんが値上げされるのであれば、かけうどん以外のうどんを食べるのは一つの方法です。きつねうどん(小)、わかめうどん(小)は290円です。

290円は旧価格のかけうどん(小)の150円よりもかなり高いですが、新価格のかけうどん(小)を220円で食べるよりは、損をした感じがありませせん。

はなまるうどんがかけうどんを値上げしたとしても、代替となるうどん店が近隣にないので、大きな客離れは起こらないのではないでしょうか。

はまなるうどんはてんぷらで客単価を高めたい

人口の減少により、飲食チェーンでは客数の減少が起こります。飲食チェーンが売上を減らさないためには、客単価を高めなければなりません。

はなまるうどんはてんぷらを販売しており、てんぶらの販売数量を増やすことで、客単価の上昇を目指したいです。

ラーメン、カレー、お好み焼き、うどんなどでは、お客さんが追加で注文できるトッピングが提供されています。お客さんはトッピングをついつい増やしてしまうので、注文金額が高くなります。

カレーチェンのCoCo壱番屋は豊富なトッピングが人気です。トッピングを1つするよりも、2つ、3つと増やした方が美味しくなります。YouTubeにはCoCo壱番屋のトッピングを全部のせしている動画が多数あります。

はなまるうどんが販売するてんぷらも、お客さんがついつい注文してしまうものです。てんぷらを1つだけではなく、2つ、3つと食べた方が美味しいです。

はなまるうどんの天ぷらのメニューは、えび天、野菜かき揚げ、ちくわ磯辺揚げなど8品目です。はなまるうどんはてんぷらメニューの開発にあまり力を入れておらず、品揃えをもっと増やしたいです。

はなまるうどんが客単価を高めるためには、うどんの値上げよりも、てんぷらの品揃え拡大の方が効果的ではないかと思います。