7月8日、三越伊勢丹ホールディングスは3D計測を導入して、コンサルティング接客とセットでスタイリングを提供することを発表しました。3D計測は7月15日に伊勢丹新宿店に導入されます。
三越伊勢丹ホールディングスが3D計測とコンサルティング接客を提供する理由は、お客さんの買い物の不満を解消するためです。3D計測で取得したデータを活用することで、サイズに関連したお客さんの不満を解消できます。
身体データの計測では、自宅で簡単に計測できる「ZOZOSUIT」が話題になりました。自宅で身体データを計測できることは便利ですが、専用のブース、ハードウェアがある店舗での計測を好む人が多いのではないかと思います。
3D計測とコンサルティング接客
7月8日、三越伊勢丹ホールディングスは3D計測の導入を発表しました。
3D計測はワコールの「3D smart&try」と協業したもので、7月15日より、伊勢丹新宿店に導入されます。
3D計測とは、計測ブースで約5秒の3Dボディスキャンを行うことより、全身18箇所のサイズ、体の厚みなどの身体データを計測するものです。
伊勢丹新宿店では、3D計測で取得した身体データに基づき、スタイリストがお客さんそれぞれにコンサルティング接客を行います。
三越伊勢丹ホールディングスは3D計測を導入することにより、試着をしても自分にピッタリのものが見つからない、商品を探すのが面倒・時間が掛かる、サイズが適切かどうかわからないなど、お客さんの買い物の不満を解消しようとしています。
なぜ3D計測とコンサルティング接客を提供するのか
三越伊勢丹ホールディングスは3D計測を導入して、コンサルティング接客とセットでスタイリングを提供します。
三越伊勢丹ホールディングスが3D計測とコンサルティング接客を提供する理由は、お客さんの買い物の不満を解消するためです。
百貨店の洋服の買い物体験には、サイズに関連したお客さんの不満があります。
洋服の買い物ではサイズが重要なため、サイズに関することには時間が掛かります。自分に合ったサイズを探すのに時間が掛かる、実際に自分に合っているかどうかの試着・絞り込みに時間が掛かるなどです。
百貨店の売り場はブランドごとに作られていて、洋服のサイズもブランドごとに基準が異なっています。お客さんは欲しい洋服を見つけるまで、複数のブランドの売り場を訪れるので、買い物に時間が掛かります。
百貨店で多くの洋服を見て、試着したものの、何も買わなかったといったことはよくあります。買い物に多くの時間を費やしたお客さんには徒労感が残ります。
3D計測とコンサルティング接客は、サイズに関連したお客さんの不満を解消するソリューションです。
3D計測は約5秒間でお客さんの身体データを計測します。3D計測で取得したデータは、お客さんのサイズに関連した不満を解消することに活用できます。
コンサルティング接客には、買い物の時間を長くしてしまう可能性もあります。ただ、買い物の時間が長くなったとしても、自分にぴったりの洋服を見つけることができれば、お客さんの満足度は高まります。
3D計測とコンサルティング接客を利用するお客さんは、洋服を買うことを既に決めています。お客さんと販売員が真剣に洋服選びができる環境を作れることも、3D計測のメリットです。
身体データの計測は自宅よりも店舗でしたい
三越伊勢丹ホールディングスは3D計測を導入して、コンサルティング接客とセットでスタイリングを提供します。
身体データを計測する作業については、自宅で自分でやるよりも、店舗でやりたい人が多いのではないかと思います。
身体データの計測はファッション業界において重要なものです。
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは、2017年11月に採寸スーツ「ZOZOSUIT」を発表しました。「ZOZOSUIT」を着て、専用アプリで写真を撮ると、身体データが計測できるというものでした。
「ZOZOSUIT」で取得した身体データは、自分ぴったりのPB商品の製造、ZOZOTOWNでの商品の絞り込みなどに活用されました。現在、「ZOZOSUIT」の販売は終了しており、身体データ関連の今後の展開は不透明です。
三越伊勢丹ホールディングスが導入した3D計測は、ワコールの「3D smart&try」と協業したものです。今後、ネット、リアルの両方で、お客さんの身体データを計測する企業が次々に登場すると予想されます。
身体データの計測は自宅ではなく、店舗でしたいです。
「ZOZOSUIT」は自宅で簡単に身体データが計測できるというものでした。自宅で身体データを計測できるのは便利ですが、使用するハードウェアがスマホのカメラなので、取得するデータは十分とは言えません。
店舗で身体データを計測する場合、専用のブース、ハードウェアを使用します。自宅での計測と比較すると、店舗での計測の方が取得するデータの質は高いです。
身体データの計測では、ネット企業よりも、店舗を持つ小売業の方がお客さんに支持される可能性があります。ネット通販で洋服を買う人が増えており、3D計測には、店舗で洋服を買う人を増やす効果も期待されます。