ヤマト運輸の5月の宅配便取扱個数は1億6,498万7,396個となり、前年同月比で19.5%増加しています。
ヤマト運輸の5月の宅配便取扱個数が増加した理由は、生活様式の変化により、ECのニーズが拡大したためです。生活様式の変化により、店舗での買い物が難しくなり、ECで買い物をする機会が増えました。
ヤマト運輸の5月の宅配便取扱個数の増加率は高いですが、6月以降は鈍化するのではないかと予想されます。5月25日の緊急事態宣言の解除以降、お客さんは徐々に店舗に戻りつつあります。
ヤマト運輸の5月の宅配便取扱個数
6月4日、ヤマト運輸は5月の宅配便取扱個数を発表しました。
ヤマト運輸の5月の宅配便取扱個数は1億6,498万7,396個(前年同月比19.5%増)となり、5月としては過去最高を記録しました。
4月の宅配便取扱個数は前年同期比13.2%増でした。ヤマト運輸は4月に続き、5月も宅配便取扱個数が増加しています。
なぜヤマト運輸の5月の宅配便取扱個数は増加したのか
ヤマト運輸は5月の宅配便取扱個数が増加しました。
ヤマト運輸の5月の宅配便取扱個数が増加した理由は、生活様式の変化により、ECのニーズが拡大したためです。
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、生活様式が変わりました。
ECの拡大に繋がる生活様式の変化は、不要不急の外出を控える、人混みを避ける、テレワークをするといったものです。このような生活様式の変化は、店舗での買い物の回数を減らし、ECの買い物回数を増やします。
また、多くの小売業が店舗の休業、営業時間の短縮を行ったため、買い物をしたくてもできない状況もありました。
新型コロナウイルスの影響により、ECのニーズが拡大したことは、EC企業の動向からも見て取れます。
楽天は4月の国内EC流通総額が前年同期比57.5%増と急増しました。楽天市場では、医薬品・衛生用品、日用品・生活用品、おもちゃ・ゲーム、食品、パソコン・周辺機器、家具、化粧品、家電など、幅広いカテゴリが売れています。
オイシックス・ラ・大地はネットスーパー「Oisix」の注文数の増加を受け、Oisixの物流センターのキャパシティを3倍に拡大する計画を発表しています。
ヤマト運輸の5月の宅配便取扱個数が増加したことは、新型コロナウイルスの影響により、ECのニーズが拡大したことの証明だと言えます。
ヤマト運輸の6月以降の宅配便取扱個数はどうなるか
ECのニーズ拡大により、ヤマト運輸の4月、5月の宅配便取扱個数は高い増加率を記録しました。
ヤマト運輸の6月以降の宅配便取扱個数の増加率は、4月、5月ほど高くならないと予想されます。
ECのニーズが拡大した背景には緊急事態宣言があります。
緊急事態宣言は埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に、4月7日に発出されました。4月16日には対象が全国に拡大され、5月25日に解除されました。
緊急事態宣言が発出されている期間、多くの人が感染拡大の防止に努めたため、ECのニーズ拡大に繋がりました。
5月25日に緊急事態宣言が解除されて以降、徐々に外出する人が増えています。小売業の既存店売上高も、徐々に戻りつつあります。
新型コロナウイルスによるECのニーズ拡大は、4月、5月は特需と言えるもので、6月以降は効果が小さくなると考えられます。
4月、5月はECの利用者が増え、ECへの理解が深まりました。4月、5月にECで買い物をして満足した人は、6月以降もECで買い物を続けます。
ECのニーズは継続的に拡大が続いており、ヤマト運輸の宅配便取扱個数も増加が続いていました。新型コロナウイルスの影響でECのニーズが拡大したことには、ヤマト運輸の宅配便取扱個数の増加率をさらに押し上げる効果があります。
新型コロナウイルスはヤマト運輸にプラスの影響
新型コロナウイルスの影響により、ECのニーズが拡大し、ヤマト運輸の宅配便取扱個数は増加しました。
新型コロナウイルスはヤマト運輸にプラスの影響を与えています。
宅配便取扱個数が増えたことはヤマト運輸にとってプラスです。
ヤマトホールディングスの2020年3月期決算は、売上高が1兆6,301億4,600万円(前年同期比0.3%増)、営業利益が447億100万円(23.4%減)でした。
ヤマト運輸は労働環境を改善するため、増員を行っています。増員により労働環境は改善されたものの、宅配便取扱個数の増加が不十分であったため、生産性が悪化しています。
ヤマト運輸は宅配便取扱個数を増やす必要があったところに、新型コロナウイルスによるECのニーズ拡大が起こりました。4月、5月と宅配便取扱個数が増加したことは、ヤマト運輸の生産性向上に繋がります。
新型コロナウイルスは宅配便取扱個数の増加以外にも、ヤマト運輸にプラスの影響を与えています。
ヤマト運輸のドライバーは、新型コロナウイルスの状況下においても、以前と同じようにECの荷物を配達しています。ECの利用者はヤマト運輸のドライバーの貢献を理解し、感謝の気持を持つようになります。
4月、5月は自宅で過ごす時間が長かったため、ECの再配達が減ったのではないかと推測されます。ECの利用者が自宅で荷物を受け取ることに慣れたのは、再配達を減らしたいヤマト運輸にとってプラスです。
ヤマト運輸は新型コロナウイルスをきっかけに、生産性向上を加速させたいです。